更地と聞いて、思い浮かべるものはなんだろうか。
空き地、なにもない場所、はたまた. . . 災害、戦争、疫病. . .
そんな多義的な更地で、ときに大きく、ときに小さな世界のことを、初老の夫婦は記憶の旅を通じて表象します。
劇場に〈なにか〉を充満させるように。 だれかに〈なにか〉を伝えるように. . .
その〈なにか〉はなんなのかわかりません。
でもきっと、簡単にわかることができないものだからこそ、二人はジタバタし、 悩み、苦しみ、笑い合うのでしょう。
ここ数年は「あ、これは歴史の教科書に載るだろうな」と思う出来事の連続でした。
それと同時に、我々が実際に経験したことが誰かのことばによって語られてしまう恐怖のようなものも経験しました。
とてつもなく大きく、脅威的な出来事によって個人の日々、生活、時間は覆われ、隠れてしまったように感じます。
歴史の一部として現代が語られるときも、そうなることでしょう。
その事実を突きつけられると、心のどこかがジタバタしてしまいます。
渦中の中で私たちは芸術を学び、創作してきた。私たちは確かに存在していた。生きていた。本当に。
初老の夫婦を20代の若者が演じることは少々違和感があるかもしれません。
しかし、 現代の社会を生きた上で〈なにか〉を伝えたいという思いは、劇中の夫婦と強力な共通点であり、
私たちであるからこそ、広げられる景色があるかもしれません。
企画・演出 保井岳太
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